About ReproMise [Japanese]

水環境の課題と現状

水ビジネスの急発展

water.jpg 地球を取り巻く環境問題の中で「水不足」や「水質汚染」は食糧問題やエネルギー問題と並んで人類にとって解決すべき大きな課題となっている。2000年以後、約40万人の生活用水に相当する10m3/日規模の水処理システムプラントが世界が世界各地で建設されており、これまで未利用だった水源からの造水技術が開発・実用化されている。
 今後、ますます水問題の深刻さが増し、造水量100万m3/日規模の大型水処理システムの需要が顕在化することが予想される。


メンブレンバイオリアクターへの期待

MBR.gif 今日、水膜処理技術に関して実用化を重視した産官学の研究開発が盛んになってきている。例えば、米国では膜を利用した資源回収を目指す新しい下水処理システムの構想が提案されている。日本においても下水道ビジョン2100に示されている「資源の道」や「施設更新」の構想など、国内外で下水処理場のイノベーション気運は非常に高まっている。
 水膜処理技術の中でも水処理と汚泥処理を一体化させて水・バイオマスの生産および栄養塩回収・固定化を実現するメンブレンバイオリアクター(MBR; Membrane Bioreactor)は特に多くの期待が寄せられている。
 国外では、EUによる浸漬型MBRの下水処理への適用に関する研究開発が記憶に新しい。国内でも新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や国土交通省においてMBRの省エネルギー化や実用化などを目指す研究開発が推進されている。

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ReproMiseとは

Mega-ton Water System

 MegatonWater System(メガトン水システム)では、世界最高レベルの低圧海水淡水化逆浸透膜エレメントとその大型化、耐腐食性配管材料、浸透圧発電、エネルギー回収等の要素技術と共に、ケミカルレス海水淡水化システム、1mega-ton(100万m3)/日規模(約400万人の生活用水相当)インテリジェント大型海水淡水化プラントのシステム技術開発、さらに革新的な下水処理システムでは従来の資源消費型から資源生産型へのパラダイムシフトを図り、環境、エネルギー、コストに配慮した実用化技術の開発を目指しています

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ReproMise(リプロマイズ)とは

logo_ReproMise.jpgReproMiseのロゴ ReproMise; Resources Productive Membrane Integral-system for Sewageは、全体で対象としているメガトン・サブメガトン規模の水循環ループ技術の中でMBRを中心としたシステムMBR+を開発することを目的としたサブテーマグループである。
 本グループでは、並行して中小規模処理にも適用可能な資源回収型多機能膜処理システム(BMBR; Baffled MBR)の機能解析と最適システム設計についても行っている。

資源生産型革新的下水統合膜処理システムMBR+

 MBR+は下水処理およびその再利用を促進し、循環型社会・低炭素社会の実現に貢献する資源生産型革新的下水統合膜処理システムである。

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資源回収型多機能膜処理システムBMBR

 既に特許を有するBMBRは、優れた窒素・リン処理効率が証明されており、特色ある処理システムとして実用化の実現可能性が高い。

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サブテーマリーダーからのご挨拶

 本プロジェクトは、メガトン水システムの中のサブテーマとして、「資源生産型革新的下水処理統合膜処理システム」を開発します。このような研究開発では大言壮語(統整的理念)が必要です。ここでは近代下水道における活性汚泥法の開発に匹敵するイノベーションを目指します。これにより、下水道ビジョン2100に示されている「循環の道」「資源の道」を文字通り実現することができると考えます。産官学協働研究の成果が我が国のみならず世界の下水処理場の更新、新設等に適用されることにより、地球における水資源の脆弱性の解消と低炭素社会の実現に貢献することを究極の目標とします。通常、Integrated Membrane System (IMS)を統合膜システムと訳しますが、それでは単に異なる膜の組み合わせとなってしまい本プロジェクトの趣旨に合いません。ここでの統合は膜だけではないという意味での統合です。誤解を避けるため、また大言壮語として「完全なシステム」という意味を持たせてMembrane Integral System (MIS)という英語を創訳しました。

山本和夫
サブテーマリーダー
東京大学 環境安全研究センター 教授

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